概要
多くの研究において、植物・海洋生物起源の不飽和脂肪酸を含有する食事構成とし、そうした食品を摂取することで独自の健康増進効果が得られることが示されている。しかし、これまで何十年も低脂肪食を重視してきたことから、消費者はもちろん、食品メーカーや飲食店の多くも食事脂肪が疾患リスクに及ぼす効果や健康的な脂肪源については未だ正しく理解していない。本稿では、米国栄養学会(American Society for Nutrition)学術集会・年次総会に付随して開催され、「Nutrition Journal」1に掲載されたシンポジウム「食事脂肪摂取の理解を促進する健康的アプローチ:消費者の混乱を防ぐための科学的知識の理解と活動の実施」を概観したものである。
主なポイント
■ 心疾患リスクの低減においては、脂肪摂取総量よりも摂取する食品の種類や食事構成の方が重要である。
■ 消費者は、脂肪は気にしていても、脂肪の質の重要性や食事脂肪源の違いについてはほとんど理解していない。
■ アボカドなど、善玉脂肪が効果的に摂取できる食品を消費者が認識し、選択できるようにサポートするため、今後の食事指導は健康を増進する食事構成に焦点を当てて行うべきである。
アボカド果実が食後心血管代謝危険因子マーカーに及ぼす影響:
過体重および肥満の男女を対象とした無作為化対照用量反応試験
Britt Burton-Freeman、Eunyoung Park、Indika Edirisinghe
アボカド摂取と心疾患危険因子:
システマティックレビューとメタ解析1,2
Hiya Mahmassani、Esther Avendano、Gowri Raman、Elizabeth J. Johnson